Sakuyaの図書室

書物の御紹介

足のむくみ entry26

 第26回目はデータファイル( 医学 )の御紹介です。

 

【 すぐわかる家庭の医学 】🍀

  企 画/インターナショナルマスターズパブリッシャーズ

 

👣 足のむくみ

 昔から、小さく華奢( きゃしゃ )な足は女性らしさと社会的地位が高いことの象徴でした。シンデレラは小さなガラスの靴に足がぴったり入ったことで王子と結ばれたのです。また、中国の富裕層では最近まで、小さな女の子の足を縛り付けて普通の大きさに成長しないようにしていました。現在では昔よりずっと締め付けのない心地よい履物が出回るようになりましたが、それでもなお、女性は幅の狭いかかとの高い靴を履いて足を痛めつけています。

 人の足は約30の小さく柔らかい骨でできていて、これらは網の目のように張り巡らされた靭帯( じんたい )や筋肉でつながっています。この構造のおかげで足は柔軟でかつ驚くほど強くなっているのです。身体の全構造のなかで、足ほどひどい苦痛を受ける構造はありません。たとえば人が走る時、足は最大1トンほどの力を支えるのです。

 人が年をとるにつれて、靭帯や腱はその強度を失っていきます。これは正常な過程ですが、その結果、足は徐々に広がって形が変化します。腱膜瘤( けんまくりゅう )が形成され、土踏まずが平らになることもあります。このようなことから、50歳ぐらいになると足に合った大きさの、20歳~25歳頃よりも大きな靴を履く必要があります。さらに、1日のうちでも足は変化します。朝に適度の大きさであった靴が、自然なむくみのため、夕方にはきつくなることがあります。こういったことのほかに、足のむくみや肥大を引き起こす疾患も数多くあります。

f:id:sakuyamonju:20190505133807j:plain

1日の終わりに冷水またはぬるま湯にむくんだ足をつけると、不快感の解消に役立ちます。

 

 👣 足のむくみの原因

アレルギー反応

 多くのアレルギー反応は広範囲にむくみを生じますが、これはアレルギー反応によって体液( 血液中の血漿( けっしょう )成分 )がより簡単に血管壁( けっかんへき )を通過できるようになるためです。この過剰な体液は皮膚の下と四肢に集まりやすく、その結果、手と足がむくみます。このようなむくみは一時的なもので、ふつう無害です。ただし、場合によっては、ショックや死亡を起こす可能性のあるアナフィラキシー反応の前兆であることもあります。

 

腱膜瘤( けんまくりゅう )

 腱膜瘤は母趾の第一関節の変形( 外反母趾/がいはんぼし )に伴い滑液包( かつえきほう )が腫張( しゅちょう )し痛む疾患です。加齢とともに発症し、男性より女性に多くみられます。関節の変形が増すと、母趾が内側に曲がり、ほかの足指を圧迫します。そのため、小趾( しょうし )にも小さな変形が生じることがあります。腱膜瘤になると通常、これまでよりサイズが大きく、足指が十分入る幅の広い靴を履く必要があります。

 

浮腫( ふしゅ )

 浮腫とは組織に過剰な体液がある状態をいいます。通常は細胞内や血管内にある液が細胞膜や血管壁を通って抜け出し、組織が浸水した状態になります。この過剰な体液は四肢に溜まりやすいため、足が腫れるのです。足は朝は普通に見えますが、時間が経つと膨らみ、足の甲が最も目立ちます。この種の浮腫は、心筋が弱って十分に血液を循環させることができない状態である心不全に最もよくみられます。腎不全や種々の循環器疾患( 特にリンパ管の疾患 )でも起こることがあります。また、長期間の栄養不良によって血液中のたんぱく質アルブミン )が低下した場合や、肝硬変により肝臓でアルブミンを作る働きが低下した場合にも浮腫がみられます。

 

成長異常

 成長は下垂体から分泌されるホルモンによって調節されています。下垂体ホルモンが異常に産生されると発育が過剰になり、特に四肢、または手足・頭・顎・鼻・耳などの末端の構造が大きくなります。骨パジェット病はこの種の成長異常の中で最も多い疾患のひとつです。これよりさらに極端でまれな成長異常で、足の肥大を起こす疾患には、末端肥大症や巨人症があります。

 

リンパ水腫

 リンパ系はよく第二の循環系とよばれます。病気を引き起こす微生物から身体を守るという生命維持に不可欠の役割に加え、体内組織から過剰な液を排出して体液の適切なバランスを維持する役割も担っているのです。脚のリンパ管が塞がったり障害を受けると、下肢や足首や足が大きくむくむ場合があります。このむくみは脂肪で太っているように見えることもありますが、実際は体液です。

 

妊娠

 妊娠の中盤頃には、ほとんどの女性が普段よりほぼ1サイズ大きな靴が必要になります。このように足のサイズが大きくなることには複数の要因が関係しています。妊娠後期のホルモン変化によって体中の靭帯がいくぶん柔らかくなります。これによって、骨盤の構造が広がり、赤ちゃんが産道を通過できるようになります。しかし、足ではこの靭帯の柔軟化によって数多くある足の骨を本来の位置に留めておくことができなくなり、外に広がるため、足が大きくなります。さらに、大きくなったお腹によって脚の血管やリンパ管が圧迫され、その結果足首や足がむくみます。むくみの問題は通常、計画的な休息と運動を実践することによって軽くすることができます。ある程度のむくみや足の肥大は異常なことではありませんが、過剰な体液の貯留は子癇前症( しかんぜんしょう )や妊娠中毒症の注意信号であることもあります。子癇前症や妊娠中毒症は重大な疾患でただちに治療しなければなりません。

 

 

👣 足のむくみについてのアドバイス

① 履き心地のよい、足にきちんと合った靴を履いてください。靴を履いている時間が長い人は特にこのことが重要です。仕事などの場面でかかとの高い靴を履く場合は、歩く時に履き替えられるよう、かかとの低い靴を用意してください。

② 靴を購入するのは、朝より足がややむくんでいると考えられる午後にしてください。

③ 下肢や足の循環を締め付ける伸縮性の靴下止めなどの衣類をつけないでください。

④ 静脈瘤( じょうみゃくりゅう )や糖尿病などの疾患がある人は脚の循環が障害されている可能性があるため、足の衛生には特に注意を払って感染症を避けてください。足指の爪は絶えず短く切っておき、うおのめとたこの治療は足のケアの専門家にしてもらってください。

 

 

 

 

f:id:sakuyamonju:20190222141924j:plain